昔の武士じゃあるまいし、鎧兜の飾り方なんて誰も知りません…

鎧や兜の飾り方なんて和服の着付け以上に分からないですよね。また、何に気をつければよいのか、縁起の良い日とかあるのか、普通は知らないことばかりです。ここでは五月人形の飾り方について説明します。

飾る場所について

家族みんなの目に入る場所に置くのが基本です。ご家族みんなで端午の節句の雰囲気を味わいお子様を家族全員で祝ってあげましょう。
床の間があればそこに飾るのが良いのですが、床の間のないお宅や、和室そのものがないお宅も多いかもしれません。その場合はリビングでも構いません。お子さんが成長していて子供部屋のある場合は、そこに飾っても良いです。

飾る場所は直射日光の当たらない場所にしましょう。直射日光は人形の色あせや変色の原因となります。またエアコンの風が直接当たることも劣化を早めることになりますので注意しましょう。飾る時間が1ヶ月以上になる場合は、家に入ってくる太陽の光の角度も変わってきますので、そのことも考慮します。

木製の五月人形は湿気を嫌いますので、風通しがよく乾燥した場所を選びます。じめじめした湿気の多い場所は避けてください。たとえばキッチンの対面カウンターに飾ると、キッチンの水のはねた部分に黴が生えたり、油で汚れたりしてしまいます。同じ理由で洗面所なども不向きです。

五月人形は細かい部品が多いですので、小さいお子様の誤飲を防ぐための配慮が必要になります。ケースに入っている場合はあまり問題ありませんが、ケースに入っていない場合は、お子様の手の届かない場所に飾るのが良いでしょう。

また、五月人形はときどきはたきで叩いてきれいにしなければホコリがたまってしまいます。掃除のしにくい場所に飾ってしまうと、ついつい掃除が億劫になってしまい、せっかくの五月人形がみすぼらしくなってしまいます。掃除のしやすい場所に置くのが良いでしょう。

ただし、縁起的な意味で、五月人形を飾ってはいけない位置や向けてはいけない角度と言ったものはありません。五月人形は縁起物ではありますが神様ではありませんので、それよりもむしろ直射日光の当たらない場所や湿気のない風通しの良い場所を選ぶようにしてください。

実際の飾り方

鎧飾りの飾り方

1. 櫃から鎧を取り出します。
2. 佩楯を櫃の中心にあわせて前面に垂らします。
3. 佩楯の帯の両端を櫃の中に挟み込んで固定します。左右対称になるようにします。
4. 櫃の上に芯木を載せます。
5. 芯木に鎧を着せます。
6. 腕の曲がり具合を調整します。
7. 芯木の上部にある溝に面頬の紐をかけて吊るします。
8. 面頬の位置が鎧の上に来るように紐の長さを調整します。
9. 鍬形と竜頭を差し込んで芯木にかぶせます。
10. 毛靴に脛当を差し込みます。
11. 10を櫃の前に並べます。
12. 全体のバランスを整えます。
13. 向かって左に弓を、右に太刀を置きます。太刀は鞘が上になるようにします。

兜飾りの飾り方

1. 兜が入った櫃から、兜、鍬形、支えにする芯木などを取り出します。
2. 毛氈を敷き、台と屏風を飾ります。そして台に櫃を置きます。
3. 櫃の中央のやや前よりのあたりに芯木を立てます。
4. 芯木の上に袱紗をかぶせます。一方の角が前に垂れるようにかぶせるようにします。しかし櫃の全面に垂れすぎないようバランスを取ります。
5. 鍬形を兜の鍬形台の左右の受け口に差し込みます。
6. 龍頭や獅子頭などの前立がつく場合は、鍬形台中央の受け口に差し込みます。
7. 兜を芯木に載せて、全体のバランスを整えます。
8. 太刀を柄の部分を下向きにして太刀台に置きます。
9. 飾り台の向かって左に弓、右に太刀台を置き、中央に兜を置きます。
10. 篝火がある場合は弓と太刀の手前に置きます。

三段飾りの飾り方

1. スチール製の大枠を組み立て毛氈を敷きます。
2. 後ろに屏風を飾ります。
3. 二段目の左から、鯉のぼり、陣笠、太鼓、軍扇、篝火を置きます。
4. 三段目の左から篝火、柏餅、八足台、粽、篝火を置きます。
5. 一番上の段に、鎧兜、弓、太刀を置きます。
6. 全体のバランスを整えます。

飾るときに気をつけることについて

五月人形は湿気に弱く、湿気が高いとカビが生えやすくなってしまうので、晴れた日に飾るのが良いです。そうすることで劣化を防止できます。

飾る場所で組み立てるというのも大切です。別の場所で組み立てて飾る場所まで持っていくというようにすると、持っていく間に崩れてしまうかもしれませんし、備品をなくしたりするかもしれません。飾る場所で飾り付けをしましょう。

また、手袋をはめて作業をするようにしてください。金属部分には指紋が付きやすいからです。とくに光る部分は指紋が目立って汚れのように見えてしまいます。飾り付けの段階から手袋をして作業するようにしましょう。

そして、道具を取り出すときにスマホで写真を撮ると良いです。箱のどこに何が入っていたかを忘れてしまって片付けるときに苦労してしまいます。また飾り付けの途中の段階も写真に撮っておけば来年また飾るときに役に立ちます。

しまうときに気をつけること

しまうときも天気が良くてよく晴れている日を選ぶほうが良いです。五月人形は湿気に弱いからです。大安の日にしまうなど日取りにこだわる方もいますが、そういう縁起物ではないですので、そこにこだわるよりも天気にこだわるほうが良いです。
飾り付けのときと同じく手袋をして金属部分には素手で触れないようにします。手の油脂がカビの原因になるからです。
武者人形や童人形の顔には面紙という顔を守るための紙を巻き付けます。ティッシュや和紙なので、巻きつけ、セロテープで端をとめておきます。

保管する場所は、直射日光の当たらず湿気の少ない場所ということで、押し入れやクローゼットや箪笥の上などに保管してください。五月人形は特に湿気に弱いので、お風呂場の隣の押し入れや、冬に結露しやすい家の北側の窓に近いところは避けるほうが良いです。押し入れは可能ならば上段にしまい、どうしても下段になってしまうときはすのこを敷いたりします。
また、小さいお子様の誤飲を防ぐために、子供のいないときに片付けるのが良いです。
絹を使っている部分にはヒメマルカツオブシムシという虫が繊維を食べにきます。金属部分に素手で触れると虫を引き寄せることになるのでご注意ください。また収納時に防虫剤を一緒に入れるのは良い方法ですが、防虫剤の種類と人形の素材の愛称が合わない場合がありますので、購入時にどのようなタイプの防虫剤が良いか店員に尋ねるのが良いでしょう。
収納の容器は、購入時の付属の箱が一番良いです。

飾り付け方で気をつけること

鎧の飾り方は、左右に傾いていたりしないように全体のバランスを整えるようにします。鎧のおなかがですぎると姿勢が悪く見えて格好悪いのですので気をつけましょう。また、腕の位置をどこに置けばよいかの決まりはありませんので、一番格好良く見るポーズを色々試してみてください。

鎧や兜の向かって右側に刀、向かって左側に弓矢を置きます。武将がいざというときに刀の鞘を左手で持って右手で刀を抜くからです。また弓も同じで、いざというときに半身になって左手で弓を持ち、右手で矢を引き絞ります。そのためこの配置になります。しかし、刀は一般にイメージするものとは違い、鞘を上にして飾ります。これは縁起を担ぐためで、刀を武器ではない、つまり平和的な状態であるということを示すものになります。

古くからのしきたりでは五月人形の前にちまきや柏餅をお供えします。ご家庭や地域によって並べる場所や順番が違いますので、ご家族や年配の方に教えてもらうと良いでしょう。これも写真を撮っておくと来年以降楽になります。